東京ダービー2021(大井)の予想です。

東京ダービー2021の出走馬は、トランセンデンス、アランバローズ、チサット、ジョエル、トーセンクロードなど16頭。大井競馬場2000mで行われるSI戦です。このレースは勝負度C(自信度★★★☆☆ 妙味度★★★☆☆)を予定しています。悲願のダービー制覇がかかる的場文男騎手はトーセンマッシモとのコンビで挑みます。

※メルマガ読者の方は月曜日に配信した「先週の重賞回顧」内にパスワードが掲載されています。

先週の安田記念は約7ヶ月ぶりの実戦だったダノンキングリーの勝利に驚きましたが、それ以上に驚かされたのは英オークスのディープインパクト産駒のスノーフォールの歴史的な圧勝劇。

◆英スオークス

かつてディープインパクト産駒のサクソンウォリアー(1番人気4着)が出走したダービーを現地で観戦し(参照:エプソム競馬場に英ダービーを観戦しに行ってきました!)、人工的に作られた競馬場と言うより、勾配のある“丘”に柵を設置しただけのエプソム競馬場は、ディープインパクト産駒に向かないコースだと確信しましたが、あれから3年、ディープインパクト産駒の牝馬が雨馬場のエプソム競馬場でオークスをぶっちぎりで勝利するとは、とても信じられません。2着馬に16馬身差は、242年のオークスの歴史の中でも最大着差というのもまさにDeep Impactですね。

この圧勝劇によって今年の凱旋門賞の前売りオッズでは一気に1番人気に推されたようで、国内の登録馬にはクロノジェネシス、ディープボンド、レイパパレらが名を連ねていますが、日本馬の前にディープインパクト産駒が大きく立ちはだかるという構図になるかもしれません。次走は愛オークスを視野に入れているようなので、そこでの走りにも注目ですね。

東京ダービー2021の予想と見解です

今年もやってきた日本のザ・ダービーこと東京ダービー。

初めて見たのは99年、夜空に輝くオリオンザサンクスの逃走劇。続く第1回のジャパンダートダービーでも外連味のない逃げを披露してG1馬の称号を掴んだのは、地方競馬にのめり込むキッカケにもなった。

その後、トーシンブリザード、アジュディミツオー、ハッピースプリントなどの名馬が勝利してきたレースではあるが、必ずしも強い馬が強い競馬をして勝つとは限らないのが東京ダービー。その歴史を一言で言えば、むしろ“波乱の歴史”だろう。

18歳の町田騎手に導かれて一気に世代の頂点に立った単勝70倍の重賞未出走馬・ビービートルネード、アッと驚く伏兵・ドリームスカイ&サイレントスタメンの一世一代の大駆け、プレティオラスの文字通りのシンガリ一気、そして昨年、山口騎手にクラシック初制覇はおろか重賞初制覇をプレゼントしたエメリミットなど、予期せぬ波乱の結末が待ち受けているのが東京ダービーだ。

その波乱は大体、無欲の差し、追い込み馬が突っ込んでくるパターン。騎手にとっては1年に一度、馬にとっては一生に一度のレースなだけに、中身の締まったタフなレースになり、そこに大きな落とし穴があるのだろう。

今年の第一冠・羽田盃はアランバローズが逃げ、トランセンデンスが追いかけて、その2頭でワンツーフィニッシュ。二冠目の東京ダービーもその2頭が中心になりそうだが、過去の東京ダービーの傾向を重視するなら、同じような光景が繰り広げられる可能性は低そうで、またそこに賭けるのはハイリスクローリターンでしかない。今度は2頭ともに後続勢の目標になる立場。その2頭よりも後ろで運んだ馬にチャンスが転がり込んでくるはずだ。

いよいよ迎える大一番。ここは羽田盃1、2着馬の後ろでじっくりと運べそうで、前走のレースを見た時から東京ダービーでも買いたいと思っていた馬から入る。それでは予想にいきましょう。2021年、世代の頂点に立つのは…

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ギガキングだろう

まず本馬を評価したいのは前走東京湾カップの勝ちっぷり。3コーナー付近から馬なりのまま進出を開始すると、直線は後続を一方的に突き放して大楽勝。直感的に一皮むけたと思える圧勝劇だった。

もちろん見た目だけでインパクトがあっただけではなく、東京湾カップ3着ワールドリングは京浜盃で勝ち馬チサットから0.9秒差の7着に入っており、同馬を基準に考えると、クラシック組にも全くヒケを取らないパフォーマンスだったと言えるだろう。

さらに勝ち時計1分48秒0は、昨年の東京ダービー1、2着馬エメリミット、マンガン(1分48秒6)よりも速く、過去10年で最速という事実も、前走のパフォーマンスが高かったことの裏付けなのではないか。

過去5年の東京ダービーの3着以内馬15頭を紐解くと、JRAからの転入初戦だったバルダッサーレを除けば、すべて羽田盃組か東京湾カップ組。特に後者の東京湾カップ組からは16年14番人気3着プレイザゲーム、20年9番人気1着エメリミット、同年5番人気2着マンガンが出ており、東京ダービーで波乱を演出する傾向。今年は本馬がいかにも台風の目になりそうだ。

戦績だけ見ると、左回りの方が良さそうな印象を受けるが、門別で普通に走っており、南関東への転入初戦だった雲取賞でも内の狭いところからしぶとく伸びて4着に入っており、右回りが苦手というわけではないだろう。

血統を改めて眺めてみると、実は大井2000mの鬼として知られているオメガパフュームの近親。本馬もオメガパフューム同様に追えば追うだけ伸びるイメージで、大井2000mはむしろベスト舞台と言っていいのではないか。鞍上・和田譲治騎手は昨年まで重賞1勝しか挙げていなかったが、今年に入って重賞3勝を挙げてブレイク中。昨年の山口騎手ではないが、今年も苦労人がダービージョッキーの称号を掴むと見た。

相手は羽田盃勝ち馬のトランセンデンス

前走羽田盃はハイペースで飛ばしたアランバローズを自ら動いて差し切ったのだから、何も文句がつけられない勝ちっぷり。かつて大穴だったJBC2歳優駿で本命に推した時から馬が成長し、また南関東でトップジョッキーの森騎手が騎乗しているのもあり、以前のムラさが解消されつつある。さらなる距離延長を考えても、トランセンデンス>アランバローズは間違いなく、後続の目標になるとは言え、こちらも前に目標を置ける分、大崩れする可能性は低いのではないか。

それでも羽田盃→東京ダービーの二冠は、ヴィクトリアマイル→安田記念のG1連勝並みに難しく、過去10年で達成したのは明らかに力が抜けていた14年ハッピースプリントのみ(羽田盃、東京ダービーともに単勝1.1倍で、当時事故さえなければ、勝てるという状況だった)。一見簡単そうに見えて、実は非常に難しい。なんだかんだ父同様に癖の強いトランセンド産駒であり、「まともに走れば、馬券圏内は…」と思うが、全幅の信頼を置くのは少し危険かもしれない。

3番手は羽田盃で本命に推したブライトフラッグ

その前走羽田盃は先行策から一転して後方待機策を取ったが、直線で外に持ち出されてからグイグイと伸びてきており、上り最速をマークして4着馬から0.2秒差。ペースは速くても外が伸びる馬場ではなかったので、人気以上には走ったが、末脚勝負に徹したのはむしろ裏目に出たと解釈していいだろう。予想的にはハズレだったが、馬の能力はやはり高かったと再確認させられたレースだった。今回は差し脚が生きやすい東京ダービーで、スムーズに立ち回れそうな外枠をゲット。条件は良くなるので、前走で狙った以上、ここで買わない理由はない。紙面を見る限り、再び過小評価されそうだ。

チサットは京浜盃で本命に推し、そこで勝利して一躍クラシック候補になった馬。前走羽田盃はやや案外な結果だったが、直前での乗り替わりがあり、不運だったとも言えるか。今回は本馬で3戦3勝の笹川騎手に乗り替わり。スマートファルコン×ネフェルメモリーの良血馬でもあり、大一番でこそ怖さがある。

セイカメテオポリスは大型馬で乗り難しさがあるものの、前走京浜盃ではブライトフラッグに次ぐ上り2位をマーク。末脚を生かす競馬が徐々に板についてきたので、勝ち切るイメージはさすがに沸かないが、2、3着ならチャンスはあるだろう。 御神訓騎手が継続して乗ってくるのも怖い。

マカベウスは追っての良さがウリ。前走羽田盃では4着チサットから0.2秒差の6着。距離が伸びて差しが届く展開になれば、馬券圏内に届いてもいい。

アランバローズは前走京浜盃がハイペースで飛ばしての粘り込みで、強いの一言だが、あの抑え切れない行きっぷりの良さを見ると、距離延長はプラスにはならないだろう。正直、玄人であればあるほど嫌いたくなるタイプなので、人気落ちを加味してあえて本馬から入るというのもアリだが、差してくるギガキングから入る以上、本馬の評価は下げざるを得ない。

ジョエルはクラウンカップでギガキングを押さえて勝利しているものの、ギガキングはクラウンカップから東京湾カップでパフォーマンスを大幅に上げており、あの一戦だけで2頭の序列を決めることはできない。立ち回りの上手いトーセンブライト産駒で、大箱コースより小回り向きの印象もある。

タブラオは前走羽田盃の内容が案外も、雲取賞3着の実績から力負けと断定することは出来ない。中間は真島騎手が付きっきりで調教をつけているようで、荒山厩舎所属ということを考えても、巻き返しがあってもいい。

最後にギャルダル。前走東京湾カップではギガキングに完敗しているが、デビュー以来、一度も崩れていない安定感があり、使われて強くなるホッコータルマエ産駒なので、ノーマークなら一枚押さえておいていいだろう。

東京ダービー2021の印

◎⑭ギガキング
○⑮トランセンデンス
▲⑬ブライトフラッグ
△⑥チサット
△③セイカメテオポリス
△⑪マカベウス
×⑨アランバローズ
×⑯ジョエル
×⑤タブラオ
×⑧ギャルダル

1番トーセンクロード…デビューから無傷の3連勝をマークしており、絶対ないとは言い切れないが、前走東京ダービートライアルの走破時計2分10秒1ではとても足りないだろう(近年の東京ダービーの勝ち時計は大体2分6秒後半)。

2番サヨノグローリー…レースセンスの高いトゥザグローリー産駒で、デビューから大崩れなく走っているが、重賞ではニューイヤーカップ3着(浦和1600mで絶対的に有利な1番ゲートを引いていた)、東京湾カップ4着。SIで上位争いは難しい。

4番ピースフラッグ…年明けから重賞で完全にぶつかっている現状。苦戦必至だろう。

7番ホウヨウクリスタル…いかにも小回りコースで立ち回りとスピードを生かして粘り込むマクフィ産駒。大井2000mでは向上面で脱落しているだろう。

10番ワールドリング…一連の走りから一級線相手では明らかに足りない。2000mも長いのでは。

12番トーセンマッシモ…前走東京ダービートライアルは走破時計が遅く、勝ち馬のトーセンクロードも厳しいと見ているので、2着の本馬も当然厳しい。

東京ダービー2021の買い目

ここは◎ギガキングから2列目に○トランセンデンス▲ブライトフラッグを置いて勝負したいと思います。混戦ムードなので、手広く流して高めが引っかかれば…のつもりで買います。

【3連複】

3連複:◎ー○▲ー○▲△△△××××(15点)

馬連:◎ー○▲(2点)

馬単:◎→○▲(2点)

3連複で1列目にギガキング、2列目にトランセンデンス、ブライトフラッグ、3列目に印を打った馬へ(ワイド2点でもOK)。本線はアランバローズまでです。あとは馬連、馬単を少々。

東京ダービー2021の予想でした。