凱旋門賞2019(パリロンシャン)の予想です。

凱旋門賞2019の出走馬は、エネイブル、ジャパン、ガイヤース、マジカル、ヴァルトガイストが出走。日本からはブラストワンピース、フィエールマン、キセキの3頭が参戦します。パリロンシャン競馬場芝2400mで行われるG1戦。このレースは勝負度C(自信度★★★☆☆ 妙味度★★★☆☆)を予定しています。

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凱旋門賞2019の予想と見解です

本命は、凱旋門賞3連覇の偉業に挑戦するエネイブル

振り返ると、3歳時は早め先頭から後続を寄せ付けずの完勝。4歳時は決して順調なシーズンを過ごせなかったが(芝レースは前年の凱旋門賞以来だった)、シーオブクラスの追撃を凌いで勝利。

今シーズンはエクリプスステークス→キングジョージ→ヨークシャーオークスと破竹のG1・3連勝。未だに能力の衰えは見せておらず、昨年以上に順調なローテーションを歩んでいるなら今年も当然本馬が主役になるだろう。

女傑にとって追い風といえる点が2つある。

1つは有力馬の離脱だろう。昨年の凱旋門賞で同馬を苦しめたシーオブクラスが疝痛で電撃引退した上、キングジョージで歴史に残る死闘を繰り広げたクリスタルオーシャンまでが調教中の怪我でターフを去った。特にクリスタルオーシャンはワールドサラブレッドランキングでエネイブルに次ぐ2位にライクイン。最大のライバルが不在なのであれば、エネイブルの信頼はより揺るぎないだろう(エネイブルに次いで人気を集めているジャパン、ソットサスらは本来なら脇役の立場だったはず)。

そしてもう1つは3歳牝馬の参戦がないこと。凱旋門賞はよく知られていることだが、3歳牝馬の活躍がとにかく目立つレース。昨年、エネイブルを苦しめたのも3歳牝馬のシーオブクラスで、古馬牝馬との斤量3キロ差があってこその好走だった。

以上の2点に加え、紛れの少ない12頭立ての少頭数、不利等を受けるリスクが減るオープンストレッチの導入(直線入り口で仮柵がハズれて、突如内にスペースが出来る)等を考えても、エネイブルに付け入る隙はないはず。競馬なので絶対はないものの、勝ち馬に限りなく近い位置にいるのは間違いない。問題は相手探しだろう。

その相手はいかにも過小評価されそうな…

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ヴァルトガイストをいま一度買いたい

昨年の凱旋門賞は内に押し込められる厳しい競馬を強いられながら勝ち馬エネイブルから差のない4着に健闘。その後は馬場が悪かったり、直線で不利を受けるなどの不運に見舞われて結果が出なかったものの、今年に入ってからはさすがの走り。キングジョージでは、エネイブルとクリスタルオーシャンの死闘にばかり目がいくものの、本馬もその2頭からそこまで差のない3着に入り、4着サルウィンには7馬身、シュヴァルグランには10馬身以上の差をつけていた。

牡馬にしては馬格がないため、ストレス負荷が少なく、パワーよりスピードが問われる条件でこそのタイプ。12頭立ての少頭数+芝丈が短くスピードの出る現在のパリロンシャンはベスト条件といってよく、万が一にもエネイブルとの逆転があっても驚けないだろう。

実績的には2、3番人気に推されても不思議ではないが、「エネイブルとの勝負付けが済んだ」と思われている影響か人気を大きく落としそう。未知の魅力で3歳馬のジャパン、ソットサス、日本馬が売れるなら、すでに実績を残しており、凱旋門賞&ロンシャンの芝にも適性を見せている本馬から入りたい。想定7~8番人気は美味しい。

相手は前哨戦で味のある勝ち方を見せたソットサス

前走ニエル賞は直線で内の窮屈なポジションに入ってしまったが、前が空くとスッと反応して見事な差し切り勝ち。フランスダービーからさらに新たな一面を見せ、現状の勢いは正直怖い。ただし、凱旋門賞で3歳馬の斤量が見直された17年以降、3歳牡馬は【0.0.0.10】。まだ2年のみしかデータはそろっていないが、斤量変更後、3歳牡馬勢は以前よりも苦戦している。

伏兵になるかは分からないが、日本のフィエールマンにもチャンスがあっていい。現在のパリロンシャンの芝丈は約8センチと短く、スローペースだったニエル賞(2分27秒4)やフォア賞(2分27秒5)の時計の出方を見ても、いわゆる欧州の重い芝のイメージがない。当日は稍~重想定なので、時計は少しかかるかもしれないが、それでも極端に時計がかかるような感じではなく、日本馬にも対応しやすい馬場なのではないか。ディアドラでも愛チャンピオンステークスでマジカルに迫っており(脚を余さなければ際どい争いだった)、レーティングから受ける印象ほど欧州のトップ勢とは差がないはずだ。

同様に日本のブラストワンピースもヒモ穴として評価。札幌記念は川田騎手の好騎乗が光ったものの、騎手と馬のキャラもよく合っていた。すでに述べた通り、レーティングから受ける印象ほど海外のトップクラスとも差はないと見た。

安定した成績を続けいてるマジカルも押さえ。正直、ベストは2000m前後の印象があるものの(昨年の凱旋門賞では10着に敗退)、2走前の芝2400mのヨークシャーオークスではエネイブルの2着に好走しており、距離延長で大きくパフォーマンスを落とすことはないか。

ジャパンは英インターナショナルステークスの勝利が課題評価されている印象。確かに負かした相手はクリスタルオーシャンだが、目標にされる立場/する立場の違いがあり、クリスタルオーシャン自身、相手が強ければ強いほど真価を発揮するタイプなので、あの勝利だけで評価を大きく上げない方がいいのではないか。エネイブル陣営は最大のライバルと見ているが、意外とポカがありそうだ。

最後にガイヤース。凱旋門賞で逃げ切るのは至難の業だが(逃げ切り勝ちを果たしたのは96年エリシオが最後)、バーデン大賞が圧巻の勝ちっぷり。鞍上のビュイック騎手いわく「怪物級の馬」らしく、仮にエネイブルがガチンコで負けるとすれば、本馬かもしれない。

凱旋門賞2019の印

◎⑧エネイブル
○②ヴァルトガイスト
▲⑫ソットサス
△⑥フィエールマン
△⑤ブラストワンピース
△⑨マジカル
×⑩ジャパン
×③ガイヤース

凱旋門賞2019の買い目

まずはレース発走、約1時間半前の海外&国内オッズの動向を見ていきましょう。

◆凱旋門賞のオッズ(当日、21時30分ごろ)

海外、国内ともに「今年の凱旋門賞はエネイブルの1強、それに続くのがジャパン、ソットサスの3歳勢2頭」という見立ては変わりませんが、大きな違いが生まれているのはその3頭に続く中穴の馬たち。

海外では、上位3頭のあとはマジカル、ガイヤース、ヴァルトガイストの順で売れていますが、国内では日本馬3頭が前述の3頭に替わる存在に。マジカル、ガイヤース、ヴァルトガイストの3頭は国内では7、8、9番人気に留まっています。

競馬は勝率や3着以内率が高い馬を買うのではなく、実際の勝率や3着以内率とオッズの乖離が大きい(と思われる)馬、つまり期待値の高い馬をいかに見つけられるかが勝負なわけで、国内オッズで勝負する我々にとって買うべきは、マジカル、ガイヤース、ヴァルトガイストの3頭でしょう。特にすでにエネイブルとの勝負付けが済んでいるマジカル、ヴァルトガイストの2頭は、勝負付けが済んだゆえ、過小に評価されています。

個人的に今年の日本馬は意外と舐められないと思っているので(ディアドラがマジカルを飲み込みそうな脚で追い込んできたのを見ても通用して驚けないはず)、海外オッズの土俵ならエネイブルから2列目に日本馬3頭を置いた馬券を買いたいですが、国内オッズでは期待値の観点から手が出ないですね。ただ3連複などでは、買えるオッズになっているのでしっかりと押さえたいと思います。

長々と書きましたが、昨年の凱旋門賞、今年のキングジョージのエネイブルとヴァルトガイストの僅かな差に何頭も馬が割って入ってくるとは思えず、しかもヴァルトガイストの人気がないのであれば、馬券はこの2頭から買います。馬場は重で、ヴァルトガイストにとっては乾いて欲しかったですが、キングジョージもタフな馬場でしたし、初心貫徹で能力とコース適性を信じます。

【参考買い目】

3連複:◎ー〇ー▲△△△××(6点)

3連複でエネイブル、ヴァルトガイストから印を打った馬へ流したい(ワイド1点でもOK)。正直、ヒモ抜けでハズすのは馬鹿げているので、ワイドもしくは3連複総流しも念のため押さえておいた方がいいでしょう。

馬連:◎ー〇(1点)

あとは馬連でエネイブル、ヴァルトガイスト。22時前現在、16倍もついているのは美味しいですね。

3連単:◎〇→◎〇→▲△△△××(12点)

3連単を買うとすれば、馬連が当たる前提で3着に印を打った馬が入る組み合わせ。基本的にエネイブルが勝つと見ていますが、単勝40倍ほどノーチャンスではないので、配当がグンと跳ねるヴァルトガイスト→エネイブル→印の組み合わせも押さえておきたいですね。

以上、凱旋門賞2019の予想でした。