2017年2月13日(日)、スイスのサンモリッツ競馬場で開催された氷上(雪上)競馬を観てきました。

個人的な話を少しすると、2016年に日本全国の競馬場をついに踏破(厳密にいうと、2012年から休止している姫路競馬場が残っていますが、いつ開催されるんでしょうね)。2017年からは海外の競馬場にも積極的に足を運んでいこうと思っているところです。

世界各国にはいろいろな競馬場があります。一般的にはアメリカ、イギリス、ドバイなどの競馬先進国に行く人が多いかもしれません。ただ私はちょっとマニアックな競馬場や競馬後進国の競馬場に興味を強く持っており、これからは日本人があまり行かない競馬場を巡りたいなと思っています。

スイスのサンモリッツ競馬場はヨーロッパでは決してマイナーではないみたいですが、日本ではあまり知られていない存在。私は昔からいつか行ってみたい競馬場のうちの1つだったので、海外遠征第一弾にスイスのサンモリッツ競馬場を選びました。

今回はこれから行く方のために、氷上(雪上)競馬が開催されるスイスのサンモリッツ競馬場への行き方と行ってみて分かったことをまとめてみました。

氷上競馬の競走、座席、馬券などのレポートについては、スイス・サンモリッツ競馬場で氷上競馬「ホワイトターフ」を観てきましたをご覧ください。

スイスのサンモリッツ競馬場ってどこにあるの?

そもそもスイスのサンモリッツ競馬場ってどこにあるの?って方が多いかと思いますので、google mapで場所から見ていきましょう。

サンモリッツはスイスの南東部に位置しています。

広大な山々に囲まれており、日本のイメージでいえば、軽井沢に近いでしょうか。

実際、ヨーロッパでは高級リゾート地として知られており、ハイシーズンにはヨーロッパ中からたくさんのセレブが訪れるみたいです。

競馬場といっても立派なスタンドやコースはありません。競馬が行われるのは、凍結したサンモリッツ湖畔の氷上(厳密には氷の上ではなく、その上にクッション層として圧縮雪を敷いています)。つまりスタンドもコースも競馬開催時のみ設置されるわけです。

開催は、年に3回のみ。例年、2月の第1、2、3日曜日に行われます。

開催についての詳細はホワイトターフの公式ホームページをご覧ください。

(追記)2018年は2月4日(日)、11日(日)、18日(日)に行われます。

サンモリッツ競馬場への行き方(アクセス)

1.まずは飛行機でチューリッヒ空港へ

サンモリッツ競馬場の近くに空港はないため、まずはスイスの玄関口ともいえるチューリッヒ空港に向かいましょう。

日本から行く場合、スイス航空のみ成田⇔チューリッヒの直行便が出ており、ほかの航空会社だとヨーロッパの都市を経由していくことになります。

私は基本的に乗り継ぎがあまり好きではないので、直行便のスイス航空を選びました。チケットは12月初旬に旅行代理店で購入し、料金は往復86,500円(燃油サーチャージ込み)。私の記憶だと、乗り継ぎの場合、最安値で50,000円前後だったかと思います。時間に余裕があり、かつお金を節約したい場合、乗り継いでいくのもアリでしょう。

直行便だとフライトは11時間30分程度。長いです(笑)。しかも往復ともに満席でした。日本からの直行便はスイス航空のみですし、競馬が開催される時期はハイシーズンでもあるので、満席は覚悟しておいたほうがいいかもしれません。

2.チューリッヒ空港駅からサンモリッツ駅へ


(6時台のチューリッヒ中央駅)

チューリッヒ空港から競馬場の最寄りであるサンモリッツ駅までは電車で移動します。移動ルートは、チューリッヒ空港駅→チューリッヒ中央駅→クール駅→サンモリッツ駅。乗り換えは計3回です。

まずチューリッヒ空港に到着したらチューリッヒ中央駅へ向かいましょう。所要時間は約10分。切符はいたるところに設置されている券売機で購入できます。料金は3.4スイスフランです(2017年2月22日現在、1スイスフラン=113円前後)。


(電車の切符の券売機。操作の仕方がやや分かりづらい。)

私はスイスに行くまで知らなかったのですが、スイスの電車には改札がありません。これは調べたところによると、乗車中に車掌に切符の提示を求められることが稀にあり(特急電車は必ず提示が求められます)、その時に切符を所有していないと高額な罰金が科せられるようです。効率がいいのか悪いのかよく分からないのですが、利用する側としては非常に便利でした。

チューリッヒ中央駅に着いたら特急電車に乗り換えましょう。サンモリッツ駅までは直接行くことができず、クール駅を経由して行きます。所要時間はサンモリッツ中央駅からクール駅までが約1時間、クールからサンモリッツ駅までが約2時間です。クール駅での乗り換えは非常に便利で、到着したらホームの反対側の車両に乗るだけです。


(特急電車)

料金はチューリッヒ中央駅からサンモリッツ駅まで、乗車賃+指定席料(1等車両)で135スイスフラン(約15,255円)。2等車両だと77スイスフランです。1等と2等は座席の違いだけで、大きな違いはありませんでした。もし節約したいなら2等車両をオススメします(私も次に行く時は2等車両を選びます)。

特急電車の切符もすべて券売機で購入できますが、中央駅には大きな窓口(日本でいうみどりの窓口)もあります。クール駅→サンモリッツ駅の特急電車にはパノラマ車両があり、私は機械でパノラマ車両の購入の仕方がよく分からなかったので、窓口で購入しました。もしかすると機械は1等/2等の車両の選択だけで、パノラマ車両は窓口に行かないと買えないのかもしれません。ただパノラマ車両は席が空いていれば、当日に乗車後の購入も可能です。

時刻表や運賃などについては、スイス国鉄のホームページをご覧ください。日本と同じで時間通りに運行されています。


(1等パノラマ車両の中。2等にもパノラマ車両があります。)

チューリッヒ中央駅→サンモリッツ駅間の景色は非常に綺麗です。まさにイメージしていたスイスそのものといった感じ。ただ進行方向右側の方が景色はいいので、右側の席に座りたいところ。社内ではワゴン販売もありますが、チューリッヒ中央駅のキオスクでビールとおつまみを買って持ち込むのもアリでしょう。


(クール駅ーサンモリッツ駅間の風景)

なおクール駅→チューリッヒ中央駅間はWi-Fiが飛んでおり、コンセントもあります(ただ私は1等車両だったので2等車両は分かりません)。Wi-Fiはフリーですが、電話番号を入力してSMSでパスワードを受け取って利用する形。スイスはこのパターンが多かったのですが、日本の携帯電話だと使えないので注意してください。

3.サンモリッツ駅から競馬場は徒歩5分ほど


(サンモリッツ駅前にあったホワイトターフの看板)

サンモリッツ駅に到着後、駅の出口に向かって真っすぐ進むと、左手前方に競馬場が見えてきます。そこからは徒歩で5分程度。私が行った日はサンモリッツでスキーのチャンピオンズシップが開催されており、そちらのお客さんの方が多かった印象。この大会が毎年行われているのか分かりませんが、日本の感覚で人ごみについていけば、競馬場に着くとは限らないので注意してください。

◆サンモリッツ駅から競馬場入場口までのルート

上記のルートの通り歩いていけば競馬場はもう目の前。仮設で作られた競馬場、スタンドのため、大きな入場門などはありません。


(サンモリッツ競馬場)

日本からサンモリッツ競馬場までの行き方はざっとこんな感じです。

もし鉄道好きの方であれば、イタリアに降りてティラーノからサンモリッツを目指すルートもアリでしょう。このティーラノ⇔サンモリッツ間を走っているベルニナ線(とその景観)は世界遺産に登録されており、景色が非常に綺麗みたいです。サンモリッツで氷上(雪上)競馬が開催されている時期は冬なので、本当は春に乗ったほうがいいのでしょうが、写真で見る限り、クール駅⇔サンモリッツ駅間とはまた違った風景が楽しめそう。私も今度、行く時があれば、イタリアからサンモリッツに行こうと思っています。

次にサンモリッツに行ってみて分かったことを書いていきましょう。

サンモリッツ競馬場に行ってみて分かったこと

1.前泊するべきか否かについて~できれば前泊がオススメ~


(宿泊したホテルシュティレ)

サンモリッツ競馬場は首都のチューリッヒから少し離れた場所にあります。距離がどのくらいあるのか分かりませんが、所要時間でいうと約3時間なので、東京ー大阪間くらいでしょうか。東京在住の方が阪神競馬場に行く時、当日に行くか前泊するかの違いみたいなもので、当日に行く場合は早朝に出発する必要があります。

私は前日にチューリッヒに滞在し、当日にチューリッヒ→サンモリッツと移動。6時37分の電車に乗り、9時間58分に着きました(1レースは11時)。これなら当日移動でも良さそうですが、移動の半分くらいの時間は暗闇の中。せっかく景色のいいところを通るわけですし、サンモリッツ→チューリッヒはできれば日中に移動したいところ。そうなると前日までに移動して、当日はゆっくりと競馬場に出かけるのがいいでしょう。

ただ前泊にするにしても、問題はホテルがバカ高いこと。日本の1万円弱のビジネスホテルクラスでも、サンモリッツでは3万円前後はかかります。超早めに抑えれば、もっと安く泊まれるかもしれませんが、私は1ヶ月くらい前に探したところ、普通のホテルはほとんどが3万円前後でした(そもそも空いているホテルが少なかったので、行く方がいれば、前年の12月以前には抑えるのがベストです)。

今回、私が宿泊したのは、Hotel Stille(ホテルシュティレ)。ホテルというよりも、アパートメントとホテルの中間のようなところで、期待していなかった分もあるのですが、意外とコスパが良かったです。私は2泊で246.5スイスフラン(約27,748円)。しかも朝食、夕食付きです。日本なら普通に高いですが、サンモリッツ価格ではかなり安いほう。朝食、夕食ともに豪華ではありませんが、シンプルで美味しかったです。

Wi-Fiはもちろん完備。私は角部屋に泊まっていたためか、部屋までWi-Fiが届かなかったのが残念でしたが、各階のオープンスペースにソファやテーブルが置いており、そこで使うことができます。

アクセスはサンモリッツ駅から9番のバスに乗り、Youth hotel(ユースホテル)へ。そこで降りて隣の建物が「Hotel Stille」です(看板が出ているので、下りればすぐ分かると思います)。9番の路線バスは、本数が少なく(1時間に2本程度)、始発が遅めで終電は早め。出かける時は時刻表のチェックをしましょう。なおサンモリッツ駅から歩くと30分程度。日中は暖かいので、大きな荷物さえなければ、散歩がてら歩くのもいいのでしょう。

2.サンモリッツの気候について~意外と寒くない!?~

サンモリッツは寒いです。しかし、思ったほど寒くなかったというのが率直な感想。私は凍えるほど寒い場所だと思っていたのですが、思いのほか耐えられる寒さでした。

ただ早朝や夜はさすがに寒いです。私は早朝にホテルから駅まで30分くらい歩いたのですが、さすがに死にそうになりました。

ニット帽や手袋などはあればベターくらいで必須というワケではありません。ただし、靴は厚底がベスト。私は普通のスニーカーで行ったのですが、スニーカーを履いている人はひとりもいません。雪が凍って滑りやすいところもあるので、丈夫な靴を履いていったほうがいいでしょう。あとサングラスもあったほうがいいですね。日差しが雪に反射して眩しかったです。

3.サンモリッツ近郊のオススメの観光スポット~ディアボレッツァは絶対に行くべし!~

サンモリッツ近郊にはいくつか展望台があり、私はピッツネイル展望台とディアヴァレッツァ展望台に行ったのですが、どちらがオススメかと聞かれれば、ディアボレッツァ展望台を間違いなくオススメします。

ディアヴァレッツァ展望台はベルニナディアヴォレッツァ駅にあります。サンモリッツ駅からはベルニナ鉄道で約30分。サンモリッツ~ベルニナディアヴァレッツァ間の景色も非常に見応えがありました。

ベルニナディアヴォレッツァ駅に着いたらロープウェイに乗り換え。10分ほどすれば、展望台に着きます。

山頂からは大きな山々が見渡せます。もし時間がたっぷりあってスキー、スノボー経験者からここで1日ゆっくり満喫するのもいいかもしれませんね。