帝王賞2021(大井)の予想です。

帝王賞2021の出走馬は、JRAからテーオーケインズ、ダノンファラオ、チュウワウィザード、オメガパフューム、オーヴェルニュ、マルシュロレーヌ、クリンチャーが出走。地方勢は、ミューチャリー、カジノフォンテン(以上、船橋)、ヒカリオーソ(川崎)、ノンコノユメ(大井)らが迎え撃ちます。大井競馬場2000mで行われるJpnI戦。上半期のダートの頂上決戦に相応しい豪華なメンバーが揃いましたね。このレースは勝負度C(自信度★★☆☆☆ 妙味度★★★★☆)を予定しています。

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帝王賞2021の予想と見解です

昨年は史上最高の好メンバーが揃ったと言われたが、今年も真夏のダート頂上決戦に相応しく強豪たちが一堂に会すことになった帝王賞。

JRA勢はオメガパフューム、チュウワウィザードというG1でバリバリ走ってきた馬に加え、テーオーケインズ、オーヴェルニュという2頭の上り馬、さらに地方ダートで素質開花したクリンチャーらが参戦。

迎え撃ち地方勢はG1連勝中で地方総大将のカジノフォンテンを筆頭に、ミューチャリー、ノンコノユメ、ヒカリオーソとG1で好走歴のある馬が名を連ね、JRA勢の層が厚いとは言え、地方勢も決して侮ることはできないだろう。

レースのカギを握るのは展開になる。

出走馬を見渡す限り、是が非でもハナを主張しない馬が不在で、カジノフォンテンがスッと主導権を奪うことになりそうだが、どうもそのままゆったりとラップが刻まれての立ち回りor加速力勝負のようなレースになるとは思えない。

その根拠はJRA勢の顔ぶれだ。

マルシュロレーヌ以外の中心となる牡馬勢をザっと見ていくと、

テーオーケインズ(近2走はロングスパートで連勝。東京大賞典は逆に相手に合わせて負けてしまったので、ここは強気に乗ってくるだろう。鞍上は強気の先行策を打つ松山騎手)

ダノンファラオ(American Pharoah産駒らしく溜めて良さがなく、前々で流れに乗ってこそ。川田騎手なら2、3番手を絶対に死守してくるだろう。)

チュウワウィザード(自在性に長けているが、基本は前々でしぶとさを生かしてこそ。昨年のチャレンジカップは早めのスパートで勝利を収めた。)

オメガパフューム(近走は以前の追い込み一辺倒のスタイルではなくなり、正攻法に近い競馬をするようになった。)

オーヴェルニュ(東海ステークス、平安ステークスともに4コーナー2番手からの押し切り勝ち。)

クリンチャー(近2走は4コーナー先頭での押し切り勝ち。無尽蔵のスタミナを持っており、ロングスパートを打ってこそ。)

と逃げは打ちたくなくても、4コーナーを先頭に近い形で回って押し切りを狙いたい馬が多数。おそらく誰かが向上面で進出を開始し、それにつられて各馬も早め早めのロングスパートを打ってくるのではないか。

なによりもカジノフォンテンに2戦連続で苦汁をなめさせられているJRA勢。もうやすやすと逃がすようなことはない。

どうやら今年の帝王賞は上半期の掉尾を飾るのに相応しいしのぎを削る一戦になりそうだ。それでは予想にいきましょう。本命は機が熟した…

ここより下は有料記事です(帝王賞は優駿スプリントより勝負度が高いのと、オッズへの影響を少し考慮して300円に設定させております)。

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ミューチャリーの大駆けが現実味を帯びてきた

まずすでに書いた通り、前が激しくやり合ってくれそうなのが最大のポイント。メンバーを見渡しても、速い上りを使える馬がそこまで多くないので、「ほぼ毎回上り3位以内をマークしている」という事実だけでも大いに期待できるのではないか。

2走前のかしわ記念でも展開がハマると見て、本命に推したものの、終わってみれば、ベストはやはり大井2000mと思わざるを得ない結果に。実際、同条件で行われたG1では

20年東京大賞典5着(上り3位)
20年JBCクラシック4着(上り3位)
19年ジャパンダートダービー3着(上り1位)

という成績で、馬券に絡んだのは一度だけとは言え、常に上位争いを演じている。

そして圧巻だったのは前走大井記念。いくら地方馬同士とは言え、4連勝でブリリアントカップを制したフィアットルクス、今年の川崎記念4着馬タービランスを文字通りの子ども扱いに。最後は鞍上が後続を振り返って流しながら2分4秒3(上り37.2秒)をマークしており、過去3年の帝王賞、東京大賞典の勝ち馬と比べても、全くヒケを取らない数字になっている(以下参照)。

●帝王賞(走破時計、勝ち馬の上り)
20年クリソベリル(2分5秒3、36.2秒)
19年オメガパフューム(2分4秒4、36.7秒)
18年ゴールドドリーム(2分4秒2、38.7秒)

●東京大賞典
20年オメガパフューム(2分6秒9、36.2秒)
19年オメガパフューム(2分4秒9、38.1秒)
18年オメガパフューム(2分5秒9、38.5秒)

走破時計だけで見れば、21年大井記念のミューチャリーより速かったのは18年ゴールドドリームしかいない。

同世代のカジノフォンテンに先を越されてしまったが、この舞台で前が早めに動き、差しが決まる展開になれば、本馬が躍動するイメージしかない。人気的にもここで狙わなければ、ほかに狙うタイミングはないだろう。今年の帝王賞はミューチャリーの悲願のG1制覇というドラマに期待したい。

相手は上り馬テーオーケインズが怖い

3勝クラスを勝ち上がってから約1ヶ月で挑戦した東京大賞典ではやや特殊なペースだったとは言え、勝ち馬オメガパフュームから0.2秒差の6着に健闘。翌年のさらなる飛躍を予感させたが、その期待通りにここまで2連勝。前走アンタレスステークスはメンバーレベルがそこまで高くなかったものの、ハイペースを正攻法の競馬で押し切っており、ただただ強いの一言だった。このメンバーなら無理して前に行く必要はなく、松山騎手が強気に騎乗したとしても、前を見ながらの追走になるだろう。追ってしっかりと脚を使えるので、ミューチャリーが勝ち負けするとすれば、本馬もその近くにいるのではないか。

3番手は抜群の安定感を誇るチュウワウィザード

大井2000mでは勝ち星こそないものの、19年帝王賞2着、20年帝王賞3着、20年JBCクラシック3着と複勝率100%をキープ。そもそも国内では19年チャンピオンズカップを除けば、すべて3着以内に入っており、ここも展開不問で上位争いに加わってくるのではないか。不安という不安がなく、堅実に走ってくるイメージが浮かぶ。

オメガパフュームは誰もが知るように大井2000mのスペシャリスト。これまで同舞台では【4.3.0.0】と連対すらハズしたことがなく、年齢を重ねて自在性を兼ね備えた今、以前にも増して安定感が増している。本来なら相手評価として最も相応しいのかもしれないが、決して絶対的に抜けた存在ではないのも確かで、信頼度ナンバー1と思われているからこそ全幅の信頼を置くのだけは避けたい。

マルシュロレーヌはこのメンバーに入ると、能力的にワンパンチ足りないかもしれないが、展開と鞍上の後押しがありそうで、あながち侮れないだろう。フレンチデピュティの血を引いた馬は大物食いがしばしばある。

オーヴェルニュはテーオーケインズ同様、ここに来て本格化の兆しを見せているが、より隙が多いのは本馬の方だろう。東海ステークス、平安ステークスともに特殊な道悪馬場で結果を残しており、決して道悪専門ではないものの、時計の速い馬場の方が良さそう。上りがかかっての追い比べになると、意外とコロッと負ける可能性がありそうだ。

クリンチャーは地方のダートに変わって素質開花したのは間違いないものの、近2走を冷静に振り返ると、やはり相手に恵まれた面が否めず。近2走で負かしたのがアシャカトブ、ハナズレジェンド、バンクオブクラウズらではとても威張れない。

カジノフォンテンは応援したい気持ちは当然あるものの、今回は展開が厳しくなると見て評価をグッと下げたい。【12.1.1.7】の戦績を見ても分かる通り、ピンかパーかのタイプ。古馬になって逞しさが増しており、レースを簡単にやめることはなくなったものの、逃げ馬らしく脆さを兼ね備えているのは事実。差しのミューチャリーから入る以上、本馬はどこにもいないと割り切るのが自然だ。

帝王賞2021の印

◎③ミューチャリー
○④テーオーケインズ
▲⑦チュウワウィザード
△⑧オメガパフューム
△⑫マルシュロレーヌ
△⑩オーヴェルニュ
×⑬クリンチャー
×⑤カジノフォンテン

1番ヒカリオーソ…20年川崎記念では2着に好走したものの、勝ち馬チュウワウィザードに6馬身差をつけられての結果。近走はそもそも本調子になく、苦戦必至だろう。

2番モンゲートラオ…B1で足踏みしている現状。ここは参加するだけだろう。

6番ダノンファラオ…昨年のジャパンダートダービー勝ち馬も、2着ダイメイコリーダ、3着キタノオクトパス、4着ブラヴールという名前を見ても、レースレベルが低かったのは明らか。実際、昨年のJBCクラシックではクリソベリル、オメガパフューム、チュウワウィザードらに完敗している。このメンバーでは分が悪いはず。前走ダイオライト記念も実質4頭立てで全く評価できない。

9番フレアリングダイヤ…昨年の帝王賞も参戦したが、最下位に敗退。今年も1頭も交わせずに終わるのでは。

11番ノンコノユメ…大井2000mのG1(JpnI)ではたびたび馬券に絡んできたが、昨年に行われた同条件は帝王賞5着、JBCクラシック10着、東京大賞典11着とサッパリの成績で、年齢による衰えが明らかに見られた。年明け初戦の金盃は積極策を打ったとは言え、格下相手に7着に敗退。すでにピークを過ぎたと考えるのが自然だろう。

帝王賞2021の買い目

ここは◎ミューチャリーが3着以内に入って馬券をハズすのだけは避けたいので、相手は慎重にテーオーケインズ、チュウワウィザード、オメガパフュームの3頭を押さえたいと思います。

【参考買い目】

3連複:◎-○▲△(オメガパフューム)ー○▲△△△××(15点)

馬連:◎-○▲△(オメガパフューム)(3点)

馬単:◎→○▲△(オメガパフューム)(3点)

3連複で1列目にミューチャリー、2列目にテーオーケインズ、チュウワウィザード、オメガパフューム、3列目に印を打った馬へ(ワイド3点でもOK)。本線はオーヴェルニュまでです。あとは馬連、馬単を押さえる。

帝王賞2021の予想でした。