@h_r_p_studio さんの写真。)

凱旋門賞2017の予想考察です。

凱旋門賞2017の出走予定馬は、エネイブル、ユリシーズ、ウィンター、セブンスヘブン、サトノダイヤモンドら18頭が出走。シャンティイ競馬場芝2400mで行われるG1戦です。

さて今週はスプリンターズステークスに加えて夜には久しぶりの海外G1・凱旋門賞が行われます。直近の海外G1を少し振り返ってみると、

香港ヴァーズ   ◎ハイランドリール(1番人気2着
香港スプリント  ◎ペニアフォビア(7番人気3着
香港マイル    ◎ビューティーオンリー(4番人気1着
香港カップ    ◎モーリス(1番人気1着
ドバイターフ   ◎ベリースペシャル(9番人気10着)
ドバイシーマC  ◎セブンスヘブン(5番人気2着
ドバイワールドC ◎アロゲート(1番人気1着
QE2世C    ◎ネオリアリズム(2番人気1着

という成績。コリアカップ&スプリントも当たりましたし、海外G1との相性はいい気がします。

凱旋門賞は難解な一戦ですが、今年のポイントをいくつか見ていきましょう。

※確定予想は【凱旋門賞2017予想】アイダホの一世一代の大駆けあるをご覧ください。

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凱旋門賞2017の予想のポイント

その1.仮柵が外されての立ち回り&時計勝負

凱旋門賞はロンシャン時代からそうなのですが、当日や前日に仮柵が外されての立ち回り勝負になります。オルフェーヴルが大外から伸びてきたのが信じられないくらいで、基本的には外からの差し切りはほぼ不可能。内をロスなく立ち回り、直線で狭い馬群を割って伸びてこれるような馬が勝利するレースです。

その傾向はシャンティイになっても変わりませんでした。昨年の1~3着馬の直線の位置取りは以下の通りです。

2着ハイランドリールは馬場の3分どころを通ってきましたが、1着ファウンド、3着オーダーオブセントジョージは明らかに内。特に印象的だったのはムーア騎手騎乗のファウンド。直線では馬1頭分もないような内の狭いスペースに突っ込み、勝利をもぎ取ったのはさすが世界のムーアと思わせる騎乗でした。

ただこのレースで厄介なのは立ち回り勝負=枠順競馬にならないこと。凱旋門賞ではたびたびチームプレーが見られるので、外の実力馬が気づいたら内にいる…というシーンがあるんですよね。シャティンはコース形態的に外より内のほうがいいと思いますが(コース形態については昨年に書いた「【シャンティイ競馬場芝2400mコース解説】凱旋門賞とニエル賞の舞台」をご覧ください)、昨年は12番→11番→16番ゲートでの決着。枠順よりもチームプレーで恵まれそうな馬を探したほうがいいかもしれません。

ちなみに昨年の勝ち時計は2分23秒61。良馬場なら日本の競馬とほとんど変わりません。時計勝負になると一般的には年齢の若い馬が活躍する傾向にあるので、昨年は3歳馬が飛んで上位1~3着が4歳馬でしたが、3、4歳の馬を中心視したほうがいいでしょう。そもそも凱旋門賞は若い馬が強いレースです。

その2.エネイブルをどう扱うか

今年の凱旋門賞のポイントはレーティングトップで1番人気濃厚のエネイブルをどう扱うかでしょう。能力断然なのはどう見ても明らかなので、カギになるポイントを挙げておくと、

・多頭数
・スピード勝負

の2点です。

まずエネイブルはこれまで7戦走っていますが、そのすべてが10頭立て以下のレース。凱旋門賞のような多頭数のレースを経験したことがありません。少頭数と多頭数の競馬が異なるのは日本でもそうなのですが、エネイブルはレース映像を見る限り、スタート&レースセンス抜群なので多頭数のほうがむしろ良さが生きるタイプに見えます。前走ヨークシャーオークスは逃げ切りでしたが、スタートが一番速かったため、逃げる形になっただけ。テン良し、中よし、終いよしで、多頭数が理由で負ける可能性は低い気がします。

そしてもう1点のスピード勝負ですが、一般的に3歳牝馬はスピード勝負に強いのでそこまで心配する必要はなさそう。レース映像を見ても、牝馬特有というか、ギアチェンジの速さが目を引く馬で、どんな競馬場でも結果を残していることからも、スピード勝負になっても対応してくる可能性が高いのではないでしょうか(どうやら天気予報を見ると週末は雨予報なので時計のかかる馬場になりそう)。

現時点でエネイブルは信用できる人気馬と見ています。

凱旋門賞2017のイチオシ馬は…

凱旋門賞は多頭数で難しいレースですし、狙い馬を絞るというよりも国内オッズで過小評価されている馬を積極的に狙っていくスタンスが良さそう。正直、蓋を開けるまで人気が読みにくいのですが、現時点で面白いと思うのは

アイダホ

です。ブックメーカーでも人気が全然なさそうですが、キングジョージの3着馬。当時、ユリシーズと差のない競馬でしたし、そのユリシーズがエネイブルの最大のライバルなら本馬も展開ひとつでチャンスがありそう。前走ソードダンサーステークスは逃げた馬が最下位、2番手追走の本馬がブービーで、展開的に厳しかった感じ。そもそも小回りで時計が出るサラトガ競馬場のレースなんて参考外でしょう。名門のオブライエン厩舎の管理馬、ハイランドリールの全弟(しかも鞍上ヘファナンは昨年の凱旋門賞でハイランドリールに騎乗して2着)にも関わらず、売れない「馬名」(アイダホという響きが地味で売れなさそう)も重なってか完全に盲点になっている気がします。

以上、凱旋門賞2017の予想考察でした。