【ジャパンカップ2016予想考察】ナイトフラワーら外国馬分析
@h_r_p_studio さんの写真。)

ジャパンカップ2016の予想考察です。

今回はジャパンカップ2016に出走予定のイキートス、イラプト、ナイトフラワーの3頭の外国馬について分析していきます。

その前に今週のダートグレード2連戦は

浦和記念が

1着◎ケイティブレイブ(1番人気)
2着○クリソライト(3番人気)

3着ハッピースプリント(5番人気)

兵庫ジュニアグランプリが

1着▲ローズジュレップ(6番人気)
2着◎ハングリーベン(4番人気)

3着バリスコア(7番人気)

という結果。

個人的な馬券は2戦1勝でちょいプラスで終われたのですが、2レースとも印上位3頭を絡めた馬券を買えば良かったですねえ。特に兵庫ジュニアグランプリは大波乱だったので、買い方次第では一撃回収できたレース。「馬連的中しました!」というご連絡をいくつか頂きましたが(ただ馬連63倍に対し、枠連80倍だったんですよね・苦笑)、ここは本当に◎ハングリーベンと総合評価B期待値Aにしていた▲ローズジュレップとの2頭軸で勝負すべきでした…

ちょっとデカい魚を取り逃した感はありますが、週末に似たようなミスがないように、そして今週末のJRAは爆発できるように頑張りたいと思います。

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ジャパンカップ2016の外国馬分析

今年の外国馬3頭を分析する前にジャパンカップにおける外国馬の成績について。過去10年は以下の通りになっています。

161123表1

御覧の通り、外国馬で3着以内に入ったのは1頭だけ。

その1頭は06年3着ウィジャボード。この06年は圧倒的存在のディープインパクトがいたため、異例の11頭立てで行われた年。つまり例年のように多頭数で行われていれば、ウィジャボードも馬券に絡んでいたかは怪しいといえるでしょう。

外国馬がここまで悲惨な状況になっている理由は主に2つ。

1つは欧米のトップクラスの馬が出走しないこと。昔は本当に欧米から大物外国馬の参戦がありましたが、近年ジャパンカップに出走する外国馬は「実績的に日本馬には太刀打ちできないだろう」といえるような馬ばかり。参戦が少なくなったのには、12月に行われる香港国際競走の存在があります。この時期オフシーズンにあたる欧州勢にとっては、ブリーダーズカップ→香港国際競走というローテーションが主流。ジャパンカップではなく、香港国際競走に進むようになったのは、日本より香港の馬場のほうが合いやすいこと、検疫による拘束期間が短いことなどがよく言われています。

そしてもう1つは単純に日本馬が強くなったから。日本馬がよく参戦する香港国際競走、ドバイミーティングなどの結果を見ても、いまや日本馬は世界最高峰のレベル。そんな状況の中、欧州のトップクラスの馬がジャパンカップに出走しても簡単に好走できるわけではなく、まして二流、三流クラスの馬であれば、基本的に歯が立ちません。

以上の2点から近年のジャパンカップにおいて外国馬はほとんど凡走に終わっています。

ただこれは競馬ファンにとって周知の事実。つまりジャパンカップにおいて「外国馬=用なし」と思われている今こそ、好走の可能性がある外国馬を積極的に買うことに妙味があります。ということで今年のジャパンカップ2016に出走予定の外国馬3頭(イキートス、イラプト、ナイトフラワー)を1頭づつ見ていきましょう。

イキートス

ドイツから遠征する4歳牡馬。父AdlerfulgはSader’s Wells~In the Wingsという血筋で、昨年のジャパンカップに出走したイトウ(8番人気18着)と同じ。母系は日本に全く馴染みがなく、ドイツで培われてきた血統。日本の馬場適性には大きな疑問が残ります。

G1実績は今年のバーデン大賞1着のみ。同レースはドイツ国内では格式高いG1も、欧州全体で見れば、レベルはお世辞にも高いとはいえないG1。バーデン大賞1勝のみの馬が、日本のG1で通用するとは思えません。

しかもバーデン大賞の勝ち時計は芝2400mで2分36秒4。道悪だったこともあり、そういうレースを得意とする馬と解釈して良さそう。レース自体も外を回した馬が伸びず、上手く内を突いた本馬がスルスルと抜け出すという、いかにも恵まれたような勝利でした。

初の海外競馬に加えて多頭数も未経験(12頭立てまでの経験しかない)。買える要素が一切ないのでさすがに消しでいいでしょう。万が一、好走したら事故だと思って割り切ります。

イラプト

フランスから遠征する4歳牡馬。父Dubawiで、母父Caerleonなので、イキートスよりははるかに日本への適性を感じさせる血統。Dubai産駒といえば、ポストポンド、ニューベイなど中距離の一流馬を輩出していますが、日本で走っている同産駒はフレデフォート(通算4勝の勝ち鞍はすべて芝1200m)、モルジアナ(現役でダート1200mで4勝)、ティップトップ(現役でダート1200mで3勝)となぜか短距離馬がほとんど。ただ現3歳牝馬のミスドバウィはこの前の西郷特別(芝1800m)で2着に好走しましたし、血統だけで割り引く必要はないでしょう。

G1では昨年のパリ大賞、今年のカナディアンインターナショナルを勝利。2レースとも微妙なレースですが、本馬に関してはどのレースを走ってきたかというより、「昨年のジャパンカップ6着」を最大限に評価したほうが良さそう。レースは抜群の飛び出しから好位の4番手で上手く流れに乗ってましたが、4コーナーでゴールドシップがマクっていったことでラブリーデイらもポジションを押し上げた影響で外に持ち出すスペースがなくなり、位置取りを一度下げてしまう不利。直線は前にスペースがなかっため、進路を内に切り替えての追い込み。そこからじわじわと伸びて、勝ち馬ショウナンパンドラが0.3秒差の6着でした。「不利がなければ勝ち負けだった」とはいえませんが、不利がなければ掲示板以上には入れたでしょう。

ただ戦績を見る限り、昨年より勢いがあるわけでもないですし、日本馬をまとめて負かすイメージはさすがにありません。それでも昨年の走りをポジティブに捉えるなら、3着くらいならあっても不思議ではなさそう。馬券の中心にはしませんが、3連系を買うなら抑える予定です。

ナイトフラワー

ドイツの4歳牝馬。父Dylan Thomasは日本で馴染みがありませんが、Danzig~Danehillの血筋なので、日本、とりわけ東京への適性を感じさせる血統。母父はパントレセレブルで、やはり重いわけですが、今年の外国馬3頭の中での比較でいえば、東京芝2400mに最も適性がありそうです。

G1勝ちは昨年と今年のオイロパ賞のみ。実績的には3頭の中で最も格下といっても良さそうですが、本馬に関しては昨年のジャパンカップの走りがすべてでしょう。8枠18番と厳しい枠順でしたが、道中で上手く馬群の中に潜り込み、直線ではショウナンパンドラの直後のポジション。そこからショウナンパンドラが真っすぐ走ったのに対し、本馬は前にスペースがなく、内に切り込みながらの追い込み。じわじわと伸びていたのですが、エンジンがかかったところでイラプトの真後ろに入ってしまい、追えない不利。結局、ゴールまで前が空かず、鞍上が手綱を持ったままでのゴールでした。スムーズならどこまで走れていたかは分かりませんが、あの不利がありながら勝ち馬ショウナンパンドラから0.5秒差なら、日本への適性は相当高いと見てよさそう。馬込みも苦にしない勝負根性がありますし、スムーズに走れれば、かなり面白いんじゃないでしょうか。

ジャパンカップ2016で注目の外国馬は?

ここまで詳細に書いてきたので、もう分かるかと思いますが、現時点で最も買いたいのは

ナイトフラワー

です。正直、昨年のジャパンカップのレース映像が玄人が見れば誰でも買いたくなる走りだったので、意外と売れるかもしれませんが、データ派にはバッサリ切られそうですし、ジャパンカップともなれば普段馬券を買わない層も少しは参戦してくれそうで、穴人気することはさすがにないか。現時点では印上位の扱い、本当にノーマークになるようであれば、本命を打つかもしれません。

以上、ジャパンカップ2016の外国馬診断でした。