(コリアカップ&スプリントに出走する馬の国旗が飾られている)

2017年9月10日(日)、韓国のソウル競馬場で開催された第2回コリアカップおよびコリアスプリントを観戦しに行ってきました。

結果はご存知の通り、

●コリアカップ
1着ロンドンタウン
2着クリソライト

●コリアスプリント
1着グレイスフルリープ

という最高の結果に。

私はこれまでいくつかの海外競馬場に訪れましたが、振り返れば、日本馬による海外G1制覇を見たのは今回が初めてでした。

これでコリアカップは2年連続で日本馬が優勝。賞金の高さ、輸送時間の短さ、レースレベルなどを考慮すると、日本馬にとっては非常に魅力的な番組で、2018年以降も日本馬が参戦することでしょう。それに合わせて日本からコリアカップ&スプリントを観戦しに行く人も増えそうです。

そこで今回は2018年以降のコリアカップを観戦しに行く方のために事前に知っておきたい8つのことをまとめました。

なお競馬場までのアクセス方法は、ソウル競馬場への行き方(アクセス)と行ってみて分かったことにまとめてあります。

入場料はいくら?


(入場ゲートにつながる道)

入場料は2000ウォン(約200円)です。

韓国の地下鉄と同じデポジット式の入場券で、保証金(1000ウォン、約100円)を併せて支払い、退場時に入場券を券売機に投入して保証金の返金を受けます。

ただ2017年のコリアカップ当日は入場が無料でした。2018年以降はどうなるか分かりませんが、もしかするとフリーパスかもしれませんね。

指定席は取ったほうがいい?種類は3つ


(左側の建物にあるのはすべて無料の一般席です)

指定席を取るべきかどうかですが、ソウル競馬場は一般の席が豊富に用意されており、コリアカップ当日でも一般席での観戦も十分に可能でした。私は1レース直前くらいに現地に着きましたが、一般席はたくさん空いており、お昼くらいに下に降りても席は空いていました。

結論としては指定席は取らなくてもOKですが、せっかく来たので指定席の雰囲気を味わいたいという方や、私のようにパソコンで作業をしたい方であれば、指定席を取ることをオススメします。

指定席は「Lucky Ville」という建物(パドック正面を背にして左前前方にある建物)の5階と6階にあります。

5階にあるのが外国人専用室「チャンピオンズスイート」(パスポートの提示が必要)で、6階にあるのがVIPの「ペガサスラウンジ」と一般の指定席。ただし、「ペガサスラウンジ」はコリアカップ当日、ゲスト招待のため、一般客の入場は出来ませんでした。コリアカップは国際G1ですし、海外からの関係者席になっているのでしょう。ちなみに指定席はすべて室内です。

私がコリアカップ当日、購入したのは以下の一般の指定席です。


(一般の指定席。2人席が中心ですが、グループ用の円卓もあります。)

一般の指定席は事前予約もできるみたいですが、コリアカップ当日の1レース前に訪れて普通に買えました。料金は8000ウォン(約800円)です。席は指定席購入時に空いている席の中から自分で選ぶスタイル。席によってコンセントが届く席、届かない席があったので、もしコンセントを使いたいなら指定席を購入する時に「コンセントが近い席でお願いします」と伝えたほうがいいでしょう。

指定席は広々としており、当然ながら同じフロアに馬券購入所が併設されています。コリアカップ当日でもあまり混んでいなかったので余裕をもって馬券を買えます。出入りは自由。外に行きたい時は、指定席券のバーコードを入場口にかざして退出します。再入場の時も同様なので、指定席券はなくさないようにしましょう


(指定席への入場口。指定席券のバーコードをタッチして通る。)

嬉しいサービスとしてはフリードリンクがありました(コーヒー、お茶、ジュースなどが飲み放題)。JRAの競馬場の指定席もこれくらいサービスして欲しいですね。あとフリーWi-Fiもあります(指定席だけではなく、競馬場内であればどこでも使えます)。コリアカップ当日、私はパソコンでJRAの競馬を見つつ、現地でソウル、釜山の馬券を買っていました(笑)

コリアカップ当日の番組について


(場内で配布している無料の日本語版レーシングプログラム)

2017年9月10日(日)、コリアカップ当日には計10レースが行われました。

当日の番組表は以下の通りです。

1レース(10:45):1000m
2レース(11:10):1000m
3レース(11:40):1300m
4レース(12:35):1200m
5レース(13:40):1700m
6レース(14:30):1700m
7レース(15:30):コリアスプリント(1200m)
8レース(16:35):コリアカップ(1800m)
9レース(17:30):1200m
10レース(18:00):1400m

合計で10レース。向上面からスタートして3~4コーナーを回る短距離戦が中心です。通常開催は11~12レースが組まれていることが多いようです。

レース間隔は統一されておらず、バラバラ。3レース以降はほぼ1時間に1レースくらいのペースです。間隔が空き過ぎて退屈だ…と思うかもしれませんが、3レース以降は同日に開催されている釜山競馬場の馬券も発売。そのため、十分な間隔が取られているのでしょう。

ソウル競馬場にいた競馬ファンは釜山の馬券も買っていましたし、その点は日本と同じですね。新聞にも釜山競馬場のレース情報はすべて掲載されています(競馬新聞は、ソウル3レース→釜山1レース→ソウル4レース→釜山2レースという具合に時系列順に出馬表が掲載されていました)。


(釜山競馬場のレースをモニターで真剣に見ている人たち)

なおソウル競馬場のレーススケジュールが知りたい方は、KRA(韓国馬事会)の英語版ページに飛んでいただき、「Race Card」→「Seoul Race Card」と進んでいただければ、開催日の実施レース、時間などを確認できます(釜山競馬場、済州競馬場のレース情報もこちらから確認できます)。

馬券の種類は日本とほぼ同じ!


(1レース、2番と5番の馬連&ワイドを1万ウォンづつ購入)

これまで欧州の競馬場に行った時は「競馬は観て楽しむもの」という色合いが濃いと感じましたが、韓国は日本と同じく「馬券が競馬文化を支えている」印象を受けました。私自身、アジアはこれまでタイとマレーシアの競馬場に行きましたが、どちらも馬券熱が非常に高かったのが印象的。アジア全体としてそういう傾向があるのでしょう。

馬券の種類はそのため豊富。以下の通り、日本とほとんど同じです。

単勝
複勝
馬連
馬単
ワイド
3連複
3連単(※ネットのみ発売)

です。

日本にあって韓国にないのは枠連だけですね。あと3連単はネットのみの発売となっており、マークシートでは購入できません(2017年現在)。

マークシートは以下の通りで日本語版もあります。日本のマークシートとかなり似ており、日本の競馬場でマークシートを使ったことがあれば、何も戸惑うことはありません。購入は有人の窓口で行います。


(普通に置いてないので受付の人に聞いたほうがいいです)

オッズ表記も日本と同じです。ほとんどの券種のオッズが表示されていたと思います。ただこれは海外競馬あるあるですが、直前にオッズがガラッと変わるので注意。特に単複のオッズはアテにならないですね。単勝の人気順=実際の人気順と思わず、馬連、馬単、3連複のオッズの売れ方をチェックして実際の人気を推測したほうがいいです。


(オッズはいたるところに表示されています)

馬券は100ウォンから。高額払戻しに注意!


(最終レースがガチガチで払戻しに長者の列)

馬券は100ウォン(約10円)から購入可能。日本も3連単を10円から買えたらいいんですけどね(笑)。ちなみに1つのマークシートで購入できるのは10万ウォン(約1万円)まで。10万ウォン以上の購入は複数のマークシートに分けて購入する必要があります。

そして馬券をたくさん購入される方ならここが最大の注意点ですが、100万ウォン(約10万円)以上の払い戻しがある場合、税金で20%弱取られます。つまり100万ウォン(約10万円)の払い戻しがあった場合、実際に受け取れる額は約80万ウォン(約8万円)なんですよね。わたしはこのことを知らずに馬券を購入してしまい、コリアスプリントで100万ウォンをはるかに超える金額の払い戻しがあり、相当の税金を取られました(苦笑)

税金対策をしたいなら1つの馬券で最大の払い戻しがなるべく100万ウォンに収まるようにしたいところ。1つのレースで100万ウォン以上の払い戻しがあっても1つの馬券が50万ウォンで、もう1つの馬券が50万ウォンなら税金はかかりません(ただ別々の窓口で払戻ししたほうがいいでしょう)。

コリアカップでもパドックは余裕で見れる


(声援がすごい。イワタ!タケ!という声もよく飛んでました。)

日本のG1のパドックを最前列で見るとなると朝一にシートを貼らないと難しいですが、ソウル競馬場ではそのようなことはありません(というか私が知る限り、日本がやや特殊)。必死にパドック最前列で写真を撮っている方もおらず、コリアカップでも前のレースが終わってパドックで待っていれば、最前列で見ることができました(ただ2018年以降は日本の競馬ファンが増えることが予想されるので状況が少し変わるかも)。

周りには席が設置されているので座って見ることができます。パドックはJRAのサイズ間で地方競馬場のような距離感でしょうか。馬との距離は比較的近いです。


(クリソライトとロンドンタウンのパドック)

サンデー系にとって走りやすいコース!?


(ダートの色は昔の佐賀競馬場に似ている)

日本からわざわざソウル競馬場に行く方であれば、馬券を購入することが大きな楽しみのひとつのはず。そこで馬券購入においてのポイントを1つ挙げておきます。

それは「サンデーサイレンス系にとって走りやすいコース」ということです。

ソウル競馬場に行く前は地方競馬にありがちな前に行ったもん勝ちの競馬ばかりかなと思っていたのですが、実際に1日通して競馬を見ていると意外と直線に入っての追い比べがあり、そこでいかに加速できるかがポイントになっていました。

岩田騎手はコリアカップのレース後のインタビューで「馬場が軽い」と言ってましたが、私が見ていてもスタミナよりスピード色の強いダートの印象を受けました。2017年のコリアスプリント(1200m)の勝ち時計が1分10秒7で、コリアカップ(1800m)の勝ち時計が1分50秒7ですからスピードが問われる馬場なのは間違いないでしょう。

改めて2017年のコリアカップ&スプリントの日本馬の血統を見てみると、グレイスフルリープ(父ゴールドアリュール)、ロンドンタウン(父カネヒキリ)、クリソライト(父ゴールドアリュール)とすべて父サンデーサイレンス系。「日本馬の能力が違った」と言えばそれまでですが、エルムステークスを破格のレコードで勝利したロンドンタウンがクリソライトをぶっちぎったことからもスピード優位の馬場という仮説は成り立つと思います。

韓国の種牡馬のリーディングはコテコテの米国血統が上位にランクインしているのですが、それは単純に数が多いからと判断したほうが良さそう。本質的にはサンデーサインレス系に向いている馬場の可能性が高いです。

ソウル競馬場のグルメをご紹介!最終レース終了後は屋台へ行こう(マジでオススメ)


(ワゴン販売が主流です)

最後にソウル競馬場のグルメをご紹介してこの記事を締めましょう。この記事のためにできるだけ頑張って食べました(笑)


場内の食堂で食べたビビンバ。8000ウォン(約800円)。

ジャンボ焼き鳥的な。3000ウォン(約300円)。

おでん。日本のおでんに慣れているとかなり薄口。


油揚げ的なおでん。正直、微妙でした・苦笑。

食パンにハムとポテトサラダを挟んだもの。3000ウォン(約300円)。

驚いたのは最終レース終了後、駅に向かったら屋台がたくさん出ていたこと。どこの屋台も競馬帰りのお客さんで賑わっていました。場内の食べ物はほどほどに、最終レース終了後、この屋台で一杯やるのがオススメ。一番、韓国の競馬場に来たなあと実感できた場所でした。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

韓国は羽田、成田から約2時間(関西方面からならもっと近い)。LCCもたくさん飛んでいます。コリアカップはこれから徐々に盛り上がっていくイベントになるはずなので、興味がある方はぜひぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

私自身、2018年も行きたいなと思っています(笑)