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クイーンカップ2017の予想考察です。
クイーンカップ2017の出走予定馬は、アドマイヤミヤビ、フローレスマジック、レーヌミノル、アエロリット、ハナレイムーンなど。東京競馬場芝1600mで行われる3歳牝馬限定のG3戦。2年前はミッキークイーン(2着)、昨年はメジャーエンブレム(1着)が出走しており、近年注目度が増している重賞です。
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クイーンカップ2017の予想のポイント
その1.「ある程度の位置で運べること」は勝利への必須条件
東京芝1600mは、おそらく一般的なイメージ以上に逃げ、先行が有利なコース。特にこの時期の東京開催はDコースで、1年の中でも特に逃げ、先行が残りやすい傾向にあります。先週の東京芝を見ると、ほぼフラットに近づいてきましたが、ペースが少しでも緩むと、ロスなく立ち回った馬の好走が目立っていましたし、よほど前崩れの展開にでもならない限り、外を回すよりも内を器用に立ち回った馬が有利と見ていいでしょう。
先週の東京新聞杯もそうですが、このクイーンカップも「ある程度の位置で運べること」は好走への必須条件。たとえば、過去5年の4コーナーで10番手以下だった馬の成績は以下の通りです。
4コーナー10番手以下にはそもそも人気馬がいなかったのでは?と思われるかもしれませんが、これが意外といます(以下参照)。
16年3番人気8着ルフォール
15年3番人気2着ミッキークイーン
15年1番人気3着ロカ
13年1番人気9着コレクターアイテム
12年4番人気12着モエレフルール
らが該当。4コーナー10番手以下から2着以内に好走したのは、のちの2冠馬ミッキークイーンしかいません。直線一気に賭ける馬はどんなに速い上りを使えたとしても、「アタマはない」と割り切っていいでしょう。
その2.過去3年は上り35秒前後の決着
過去と今年が必ずしも結びつくわけではないですが、過去3年のクイーンカップはそれなりにバランスの取れたラップを刻んでおり、上り35秒前後の決着になっています(以下参照)。
16年46.1-46.4(上り34.7秒)
15年46.9-47.1(上り35.1秒)
14年48.5-47.2(上り34.7秒)
これは「ある程度の位置で運べること」と似ていますが、このレースで速い上りは求められません(12、13年は上り勝負でしたが、差し、追い込みが決まったわけではなく、ロスなく立ち回った馬が上位を占めたレースでした)。
実際、過去5年の勝ち馬はすべて上り3位以下。昨年のメジャーエンブレムが最もいい例ですが、ある程度の位置から上り34秒台くらいの脚を使えれば、後続に捕まることはなく、上位争いすることができます(昨年、13番人気のナックビーナスが好位からそれなりに見せ場を作ったのもヒントかもしれません)。
その3.サンデー×ノーザン、ノーザン×サンデーが中心
最後に血統的にも顕著な傾向が出ているので見ていきましょう。以下にまとめたのは過去5年のクイーンカップの3着以内馬の血統です。
ご覧の通り、サンデー×ノーザン、ノーザン×サンデーの血統がやたら走っています。そもそもこの配合は分母が大きいのですが、それでもここまで走るかなといった印象。ちなみに唯一、サンデー×ノーザン、ノーザン×サンデーの血統が馬券にならなかった12年は、この組み合わせの馬が2頭のみ。しかも11番人気エミーズパラダイス(5着)、14番人気アラフネ(12着)と人気薄の馬しかいませんでした。
このレースは上で見てきたように極端に速い上りを求められないので、持続力に富んだノーザンダンサーの血が生きてくるのかもしれません。
クイーンカップ2017の予想オッズ
クイーンカップ2017の予想オッズです(想定10番人気まで)。
なお予想オッズはnetkeibaのではなく、独自で考えたものです。
馬名 | オッズ |
アドマイヤミヤビ | 2.5 |
フローレスマジック | 2.7 |
レーヌミノル | 5.0 |
ハナレイムーン(抽選) | 6.1 |
アエロリット | 10.7 |
キャナルストリート(抽選) | 15.3 |
ディヴァインハイツ(抽選) | 16.9 |
コマノジーナ(抽選) | 17.7 |
シンボリバーグ(抽選) | 26.2 |
モリトシラユリ(抽選) | 30.5 |
1番人気は僅差でアドマイヤミヤビか。現代競馬ファンは「どの馬と対戦してきたか?」までチェックしていますし、このアドマイヤミヤビは百日草特別でカデナ(京都2歳ステークス勝ち馬)、アウトライアーズ(超ハイレベルだったひいらぎ賞勝ち馬)を下しているわけですから、すでに「大物牝馬」の太鼓判を押されている感じ。期待込みで2倍台前半と見ています。
2番人気はもちろんフローレスマジック。アルテミスステークスはリスグラシューとのマッチレースでしたし、そのリスグラシューが阪神ジュベナイルフィリーズで2着に好走したなら、この馬も相当の能力の持ち主と見られているはず。1番人気になるかもしれませんが、ルメール騎手に選ばれなかった馬ですし、2番人気に落ち着くのではないでしょうか。単勝は2倍台後半で、アドマイヤミヤビとかなり接近する気がします。
レーヌミノルは阪神ジュベナイルフィリーズの好走で、「やっぱり強い馬だった」と完全に見直された感じですし、上位人気は必至。ただ良くも悪くも底が見えてきたので、大物感のあるアドマイヤミヤビ、フローレスマジックから離された3番人気になるでしょう。
続くのは抽選次第ですが、新馬が同舞台でインパクト十分の勝ちっぷりだったハナレイムーンが有力。金子氏所有×堀厩舎というブランドですし、1戦1戦馬はブランドがそろえばそろうほど売れる傾向にあるので、抽選が通れば上位2頭の逆転候補としての期待を背負いそう。
以下、アエロリット、抽選組のキャナルストリート、ディヴァインハイツあたりが続きそうです。
クイーンカップ2017のイチオシ馬は…
クイーンカップは共同通信杯、京都記念と違ってフルゲートになりそうですが、それでも実質的には少頭数の競馬になりそう。上位と下位の能力差がハッキリしており、クイーンカップのレース傾向を考えても、堅めの決着になる気がします。なので無理に穴を狙いにいくのではなく、シンプルに能力分析をして、かつ適性のある馬をチョイスしたいところです。
現時点での本命候補を挙げておくと、
フローレスマジック
です。アルテミスステークスはスタートで半馬身くらい出遅れてしまい、位置がやや後ろになってしまった印象。新馬、未勝利のスタートを見るとスタートセンスはいいですし、スタートさえ五分なら「ある程度の位置で運べる」でしょう。加えてディープインパクト×Storm Catというサンデー×ノーザンの王道の血統ですし、この配合は東京新聞杯2着プロディガルサンと全く同じ。枠の並びにもよりますが、中距離の緩いペースを使われてきたアドマイヤミヤビとの対比を考えると、こちらのほうが位置は取れる気がします。
ただ鞍上が戸崎騎手ということで、むしろその点が不安(笑)。最近はやたら悠長に構えている気がしますし、差し損ね、追い出し遅れのレースがチラホラ。内目の枠を引いた時は割と真面目に乗っている印象なので、この馬も内目の枠を引いて、好位のインで脚を溜めて欲しいところです。
以上、クイーンカップ2017の予想考察でした。