(サンラザロ競馬場の入場門付近。主宰するのがマニラジョッキークラブ。)
18年2月、フィリピンのマニラ近郊にあるサンラザロ競馬場に行ってきました。
「フィリピンに競馬なんかあるのか?」と思われるかもしれませんが、アジア圏は日本もそうですが、賭博自体が非常に好きな国民性もあり、競馬は本当に様々な国で行われています。
私はこれまでアジア圏だとマレーシア、タイ、韓国の競馬場に訪問。どの競馬場でもお客さんが賭けることに夢中になっている光景を目にしてきました(欧州やオーストラリアは賭博よりも競馬そのものを楽しんでいるイメージ)。そしてそれはサンラザロ競馬場でも同様でした。
今回はフィリピン競馬の基礎知識からサンラザロ競馬場への行き方、行ってみて分かったことなどをご紹介したいと思います。
目次
フィリピン競馬の基礎知識
フィリピン競馬の歴史
(競馬場への入り口前にあったマニラ・ジョッキークラブ設立150年を表す看板)
フィリピン競馬は1867年、マニラ・ジョッキークラブの設立とともに始まりました。
日本でJRAの前身である日本競馬会が創設されたのは1936年。それ以前にも洋式競馬は行われていましたが(最初に西洋式の競馬が行われたのは1860年)、フィリピン競馬は日本競馬と同じくらい歴史があるといっていいでしょう。
実際、私が訪れたサンラザロ競馬場の入り口前にはマニラ・ジョッキークラブ設立150年を表す看板が設置されていました(ちょうど2017年が創設150年)。
フィリピン競馬は世界的に知名度が低く、日本との関わりもほとんどありませんが、昔から行われていたようです。
フィリピンの競馬場
(サンラザロ競馬場のゴール付近)
フィリピンにはマニラからやや離れた場所に3つの競馬場があります。
・サンラザロ競馬場(San Lazaro Racetrack)
・サンタアナパーク競馬場(Sta. Ana Racetrack)
・メトロターフ競馬場(MetroTurf Racetrack)
最も古いのがサンラザロ競馬場。前述の通り、1867年に開催がスタート。日本でいうと東京や中山競馬場に近い位置づけでしょうか。
その後、1937年にサンタアナパーク競馬場が創設。メトロターフ競馬場は2013年に創設されました。マニラからの行きやすさでいえば、サンラザロ>サンタアナパーク>メトロターフです。
フィリピン競馬の開催日程
(競馬新聞。10ペソ=約20円。)
フィリピン競馬は持ち回り形式で毎日どこかで競馬が開催されています。
基本的にはどの競馬場も2日間開催。火曜:サンラザロ競馬場→水曜:サンラザロ競馬場と続けば、木曜はサンタアナパーク競馬場かメトロターフ競馬場で行われます。
それぞれの競馬場の開催日程は以下のリンクからご参照ください。
サンラザロ競馬場の公式HP
サンタアナパーク競馬場の公式HP
メトロターフ競馬場の公式HP(facebookページ)
フィリピン競馬の開催時間
(場内の雰囲気。客層はおじさん、おばさんが中心。)
フィリピン競馬は基本的にナイターがメイン。
3つの競馬場すべてが
平日(月~金)
1レース:18時30分発走
最終レース:22時00分発走
※8レース実施の場合。7レースの日もあります。
祝日(土日)
1レース:14時00分発走
最終レース:20時00分発走
※13レース実施の場合。土曜日は1レースが15~16時発走が多い。
で行われています。
その日の開催時間は上の開催日程のリンクからご覧いただけます。
フィリピンで発売されている券種
(場内のオッズを表すモニター)
券種は以下の通り非常に豊富です。
券種 | 日本語 | 意味 |
---|---|---|
Win | 単勝 | 1着を当てる |
Place | 複勝 | 1or2or3着を当てる |
Forecast | 馬単 | 1、2着を着順通りに当てる |
Trifecta | 3連単 | 1~3着を着順通りに当てる |
Quartet | 4連単 | 1~4着を着順通りに当てる |
Pentafecta | 5連単 | 1~5着を着順通りに当てる |
Superfecta | 6連単 | 1~6着を着順通りに当てる |
Daily Double | WIN2 | 2レース連続で1着を当てる |
Extra Double | WIN2 | 指定された2レースの1着を当てる |
Pick 6 | WIN6 | 6レース連続で1着を当てる |
Winner Take All | WIN7 | 7レース連続で1着を当てる |
Double Quinella | 馬連版WIN2 | 2レース連続で馬連を当てる |
Triple Trifecta | 馬連版WIN2 | 3レース連続で馬連を当てる |
少頭数の競馬が多いため、Daily Double的なレースをまたいで賭ける券種が流行っているみたいですね。なおマークカードはないので、白紙の紙を何枚か持っていったほうがいいです。
サンラザロ競馬場をご紹介
サンラザロ競馬場の場所
マニラの中心部マカティからサンラザロ競馬場まで約35キロ。
35キロと聞けば、それほど離れていないと思うかもしれませんが、マニラは渋滞が本当に酷く、時々、歩いたほうが早いのでは?と思うほど。マニラ中心部からサンラザロ競馬場に着くまでに車だと2時間近くかかります。
なおgoogle mapでは「San Lazaro Leisure Park and Casino」で登録されています。
サンラザロ競馬場への行き方(アクセス)
(モール内にあるGrabの受付カウンター)
行き方は圧倒的にタクシーがオススメ。
マニラ近郊は一般的な交通機関があまり整備されておらず、電車、バスともにありますが、サンラザロ競馬場行きへの電車はなく、バスはあるかもしれませんが、ハードルがかなり高いです(というか行けても帰ってこれない可能性大)。
タクシーは一般的なタクシーではなく、配車アプリGrabを使ったほうが安いです。マニラではGrabが人々の移動手段のインフラといってもいいほど使われており、大きなモール、空港などにはGrab専用の職員までいます(アプリをダウンロードしてなくても、カウンターで言えば呼んでくれる)。
大切なのは、タクシーを呼んだら帰りの交渉もすること。サンラザロ競馬場付近は本当に何もなく、タクシーもいなかったので、帰りの交渉をしないと確実に帰宅難民になります。
私は行きに1200ペソ(約2400円)をカード決済で払い、それとは別に運転手に競馬場での待機代+帰りの運賃で直接2000ペソ(約4000円)を払いました。相場がどれくらいか分かりませんが、行きの1200ペソはGrabの正規料金なので、競馬場での待機代+帰りの運賃の2000ペソは妥当なのかなと思います。
サンラザロ競馬場のコース概要
(レースはほとんど内回りコースで行われる)
コースはすべてダート。左回りで1周1500mの外回りコースと1250mの内回りコースがあります。直線は250m。日本でいえば、船橋、川崎競馬場に近い大きさでしょうか。
施行距離は
1300m(内回りコース)
1400m(内回りコース)
1600m(外回りコース)
です。
私が訪れた2018年2月7日は8レースが組まれていて、施行距離はすべて1300mと1400m。ほかの日を見ても1600mのレースはほとんどありません。
頭数はほとんど10頭立て以下。直線入り口でほぼ大勢が決するようなレースが多かった気がします。直線は内が深いのか、そこを避けて通る馬が多かったですね。ダートは内より外有利なのは万国共通なのでしょう。
サンラザロ競馬場の場内ガイド
(サンラザロ競馬場の建物内)
サンラザロ競馬場についてビックリしたのは、競馬場自体がとても立派なこと。行く前はいわゆる草競馬みたいなイメージを持っていましたが、建物自体はJRAの競馬場とほとんど変わりありませんでした。昔から行われているので、何度か建て直したりしたんでしょうね。
入場料は10ペソ(約20円)。指定席は別途払いますが、一般席も充実しています。ナイター開催なので外にずっといても暑さは気にならなかったですね。
競馬場内に闘鶏場、カジノが併設されているのも特徴。競馬場にカジノが併設されているのは海外でよく目にしますが、闘鶏場が併設されているのは初めて見ました。
(サンラザロ競馬場の無料一般席。ガラガラでした。)
(サンラザロ競馬場の有料指定席。テーブルがあるのがメリットでしょうか。)
(闘鶏場。赤が勝つか、白が勝つかを当てる。)
(競馬場の建物内にあるカジノ)
サンラザロ競馬場のB級グルメ
(メニュー。食事はグリル形式)
(魚、肉などその場で焼いてくれます)
(注文した品々。左の魚の切り身と何かを混ぜたものが美味しかった。)
マニラ近郊にある場外馬券場(OTB)
(OTBの入り口)
最後にフィリピンの場外馬券場OTB(Off Track Betting Station)のご紹介。
フィリピンにも日本のWINSのような施設がいくつかあり、マニラ中心部にも私が調べたところ、たくさんありました。
今回、私が訪れたOTBはマンダルヨン地区にあるM-ex Club OTBです。
日本のWINSとは異なり、部屋の一室が賭博場になっている感じ。
正直、中に入るのに勇気がいりましたが、スタッフの方はいろいろ説明してくれて親切でした。
入場料は50ペソ(約100円)。なぜか競馬場の入場料より高かったです(笑)。
食事のメニューもあり、飲み食いしながら賭けることができます。
(建物の中。こじんまりしている。)
(フィリピンのビールといえば、サンミゲル)
(お金を数える受付のおじさん)
フィリピン全土のOTBはこちらから探すことができます。