(元画像はコチラ。@lunapark0531さん。ホッカイヒカル)
本日は「ばんえい競馬関係者の馬券購入事件」で感じたことについて書こうと思います。
ご存知の方もいるかもしれませんが、先週、ばんえい競馬の関係者13人が競馬法違反の疑いで書類送検されるというニュースがありました。
事件の詳細をまとめると以下の通りです。
2015年4~12月、ばんえい競馬の関係者(元厩務員10人、厩務員1人、元厩務員の妻1人、元騎手1名)がインターネットの馬券購入サイトを通じ、ばんえい競馬や他の地方競馬の馬券を購入。競馬法では、地方競馬のレース関係者が地方競馬の馬券を購入することを禁じているため、競馬法違反の疑いで書類送検されました。
そしてこの事件で面白いのは、13人が競馬法に反して馬券を購入したにも関わらず、
儲けたのがたった1人だった
ということです。目的が「生活費の足しにするため」だったみたいですが、結果的に生活費を圧迫することになりました。
馬の調子が分かっても馬券で勝てない
ばんえい競馬の関係者らは「馬の調子が分かるので、もうかると思った」と話しているようです。ところが結果、儲かったのは1人だけで、マイナスだったのが12人。儲かった人もたった50万円の利益ですから、仮に500万円購入していたら、回収率110%。全く驚くべき数字ではありません。13人の回収率をトータルするとごくごく平均的な75%ぐらいに落ち着いたか、もしかするともっと悪かったかもしれません。以上のことから明らかになったのは、「馬の調子がわかっても馬券で勝てない」ということでしょう。
馬も生き物ですから、調子がいい時もあれば悪い時もあるでしょう。しかし、「調子がいい=走る」「調子が悪い=走らない」というのは全く誤った考え方なのです。
上記のことを象徴するエピソードがあります。それはロジユニヴァースが勝利した日本ダービー。当時、私は◎ロジユニヴァースだったのですが、レース後に横山典弘騎手が以下のようなコメントをしていたのが印象的でした。
「勝つことができて凄く嬉しいんですが、馬の状態があまりよく感じられず、馬のことを信頼し切ることができず、馬に対して本当に申し訳なかったなと思いました。」
ベテラン中のベテランで馬のことを誰よりも理解してそうな横山典弘騎手が、状態があまり良くなかったと判断したのですから、本当に状態が良くなかったのでしょう。ところが終わってみれば、4馬身差の圧勝。調子が悪くても別の条件がかみ合えば、3歳ナンバー1を決める日本ダービーでも勝てるのです。ロジユウヴァースの時は、不良馬場と枠順(1枠1番)と先行力がすべていい方向に出ました。
つまり馬の調子がいいかどうかは競馬の結果においてあまり関係ありません。もちろん調子がいいから勝ったという場合もあるでしょう。ただ絶対的にいえるのは、馬の調子の良し悪しだけで競馬の結果は決まらないということです。
競馬関係者は“馬”を理解していても、“馬券”を理解していない
少し話は変わるのですが、競馬関係者の方々ってホントに凄いと思います。騎手も大変な職業だと思いますが、それより厩務員や調教師や牧場関係者の方々。相手が生き物なので休みがない生活ですし、馬が本当に好きだからこそ出来る職業でしょう。
個人的にはマイネルの岡田繁幸さんを尊敬しています。筋肉の収縮力とかエネルギー効率とかの話、大好きです(笑)。血統で馬の特性を理解していると、合点することが多く、馬体を見ただけでも色んなことが分かるのだなと。当たり前ですが、私なんかより何十倍も何百倍も馬のことを理解しています。
ただそこに欠点があります。競馬関係者は基本的に「馬個体が走るかどうか」を見るケースが多く、「オッズ妙味があるかどうか」をほとんど考慮していないからです。つまり馬のスペシャリストでも、馬券については全くの無知な人が多い。上記のばんえい競馬関係者も調子がいい馬を買っていたようなので、オッズを考慮してなかったのでしょう。それでは競馬に勝てません。
競馬で勝つ人は必ずオッズを見ている
競馬で勝っている人に共通するのは、「オッズ妙味があるレースだけを買っている」ことです。私がこれまで出会った予想上手、馬券上手の方に全レースを均等に買っている人はいません。「オッズ妙味がある」と判断したレースに突っ込み、そのほかのレースはケンする(あるいは金額を控える)。競馬で勝つにはその方法しかありません。
いくら正確な予想をしてもオッズ妙味がないレースに突っ込むのはNG。たとえば今週のユングフラウ賞。私はオッズ妙味がなく、買いたくないレースだったので、ほとんどケンしました(300円だけ買いました)。結果、2着ポッドガゼールを軽視していたので正解でした。
特に地方競馬ではオッズが偏りやすいので、オッズ妙味がある馬やレースを正確に見抜けるかが重要です。ばんえい競馬の話をすると、ばんえいは馬連、3連単などの人気がバラバラなので、オッズ妙味のある組み合わせを見つけられるかがすべて。私はばんえい競馬に関しては特別な知識がありませんが、たまに遊びで馬券は買っており、1月は運良くもプラスでした。
予想する時はいつもシンプルです。出走表を見てある程度の能力比較をする。そしてそこからオッズ妙味があるかどうかを判断する。それが難しかったりもするのですが(笑)、ばんえいはオッズのムラが激しいので、直前までオッズの動きを見て妙味のあるところに投票すれば、そんなに負けることはないと思っています。
今回の事件、自分自身の経験も踏まえ、オッズを見ることって本当に大切だなと思った次第です。私自身、まだまだレースが終わってから、「この組み合わせでこんなについたんだ…」なんてケースがたまにあるので、予想して終わり!ではなく、オッズをしっかりと考慮したレース選択や買い方をしていかなければと強く思いました。
有料の勝負レースでは、「○○倍なら買い」なども書いていますが、これからもオッズが読めないときは最低購買ラインを書いていくつもりです。